賃貸借における賃貸人の修繕義務(民606)
初めて宅建士(仮)らしい事を書きます
ダル・・いや何でもありません。賃貸借契約においては、賃貸人にはその賃貸物を賃借人が使用・収益できるように修繕する義務(民606)があります。
賃借人に帰責しない事象のうち例えば水道管の破損により漏水する等が該当します。
そもそも”賃貸借契約”(同601~622の2)とは”有償で”物を使用収益させることを約しますので
このような義務も負うと言う趣旨です。
賃貸人がこの費用について出し渋ったり、急迫の事情がある場合などは
賃借人が立替えて使用収益を回復した後
直ちに賃貸人に対しその費用を請求することができます。(同607の2~608)
これらを”必要費”といいます。他、”有益費”というのもございます。
有益費については契約終了時の清算ということになるでしょう。(同608-2)
なお、不動産賃貸借契約の場合、多くは民法より先鋭的な法律である借地借家法の適用を受けることになります。
一方、”無償で”借りた場合は賃貸借契約ではなく”使用貸借契約”(同593~600)となります。
この契約は、無償で借りているが故に、借主にとっては賃貸借契約に劣後する部分があります。
例えば、必要費は賃借人が負担する事(同595)等です。
タダで借りているのだから当然と言えば当然です。
さて、賃貸借契約において賃貸人の修繕義務の範囲外のものについてが本題です。
代表例は照明でしょう。照明が切れた場合は賃借人が自腹で交換します。
同様に、水道の蛇口のパッキンもこの類でしょう。
これ、業者に交換を依頼すると当然人件費も上乗せ的にかかります。
従って、何とかDIYでということになりますが、難しくはないです。
蛇口にメーカーand/or型番が書いているので、当該メーカーのウェブサイトなりアマゾンで
適合するパッキンを買います。あとはモンキーレンチ等があれば交換できます。
水道の元栓を閉めてから交換作業に着手してください。DIYすればわずか数百円。



水道の元栓

参考
・一定の範囲で修繕を賃借人の義務とする旨の特約は有効である(最判昭29.6.25)
・造作とは、建物に付加された物件で、賃借人の所有に属し、かつ、建物の使用に客観的便益を与えるものを言い、
賃借人がその建物を特殊の目的に使用するため特に付加した設備を含まない。(最判昭29.3.11)
・留守番の仕事をしても、使用貸借である。(最判昭26.3.29)